苺の旬は「春」

 苺の旬の時期は、よく誤解されています。
 
町のスーパーでは、だいたい11月頃から一斉に店頭に苺が並び出します。
 このため、かなりの人が苺の季節は「冬」と思っているようです。

 しかしこれは、冬にクリスマスケーキなどで大量の苺の需用があるため、冬に収穫出来るように育てて出荷されているからで、苺の本来の旬は、五月頃なのです。

 今日ではハウス栽培の技術が高まり、年中いつでも高品質の苺が手に入るので、ケーキやでも年中苺ショートを買うことができますが、それでもイメージ的にクリスマスシーズンの「苺」のイメージは根強くあります。

 また、そうして冬に苺が出回るので、ファミレスなんかでも冬になるとこぞって苺のデザートフェアをはじめるし、そのため、イチゴ=冬というのが、日本での一般的イメージになっているようです。
 ちなみに、苺の生産量は日本が世界一だそうです。

 ハウス栽培によっていつでも高品質の苺が食べられると言われてはいますが、農家の話によると、春よりも冬の苺のほうが甘味が強く、春の苺は冬のものよりもやや酸味が強いそうです。

 個人的には、美味しさをより感じるのは春の苺です。
 
人間は、旬のものを食べるのが一番健康に良いと言います。科学的に甘味度を測定すれば、冬の苺の方が甘いのかもしれませんが、体が求める美味しさは、きっと春の苺なんじゃないかなぁ、と思ったりします。

●苺豆知識

 苺はビタミンCの王様です。苺を一日3粒食べれば、成人が一日に必要とするビタミンCをまかなえるそうです。
 それに、ビタミンCは水溶性ビタミンなので、食べ過ぎてもちゃんと体外に排出されるので害にはなりません。
 また、甘味成分もキシリトールという、虫歯をむしろ防止する成分が含まれているので、虫歯にもなりにくいそうです。

 よく、レモンがビタミンCの代表のように扱われますが、実はレモンの果実にはビタミンCはあまり含まれていません。
 ビタミンCを多量に含んでいるのはレモンの皮の方で、普通はレモンの皮なんて食べませんから、レモンの果汁だけをいくら飲んでも、ビタミンCはあまり摂取出来ないそうです。

 その点、苺は表面の薄い皮から種までそのまま食べるので、ビタミンがたっぷり含まれているというわけです。

 あと、苺の取り扱いで気をつけなければいけないのは、苺のヘタを取る時には、必ず苺を洗ってからヘタを取るようにすることです。
 ヘタを取ってから洗うと、苺が切り口から水を吸って、美味しさが半減してしまいます。
 また、すぐに食べない場合は、ヘタをとらない方が良いでしょう。
 ヘタをとって長時間置いておくと、やっぱり美味しさが落ちてしまいます。

 


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