美味しい味噌汁和食は専門ではありませんが、味噌汁は日本を代表するスープの一つだし、味噌汁を出す洋食屋は少なくないので、洋食屋としても美味しい作り方は知っておくにこしたことはありません。美味しい味噌汁を作るためのポイントはずばり、「味噌を入れて沸騰させない」ことです。
味噌汁の美味しさは、味噌の旨味だけではなく、その香りも同じくらい大事な要素です。
味噌を入れてから沸かしてしまうと、風味が飛んでしまいます。味噌汁用の出汁を作ったら、火を止めてから味噌を溶き入れましょう。
ちゃんと味噌濾しを使ってカスを入れないことも大事です。カスが残っていると味が濁るし食感も悪くなります。
大量に作る時は、出汁と具だけで作って味噌は入れないでおき、提供する分だけを手鍋にとって沸かし、提供直前に味噌を入れましょう。
出汁は、かつおや煮干し、しじみ、あさりなど、どんなものでも美味しく作れますが、かつお節のような削り節を使う場合は、二番出汁が個人的にはお勧めです。
旨味も風味も良いのは圧倒的に一番出汁ですが、一番出汁を味噌汁にすると、せっかくの出汁の風味と味噌の風味がぶつかり、良さを潰しあってしまうように思います。
それに、一番出汁はそれ自体で十分旨味あるスープなので、そこに味噌を入れる必要はないと思うんですね。
風味も旨味も淡い二番出汁が味噌汁にはちょうど良いと思います。そういう意味では、煮干しやしじみで作る場合も、それだけでは旨味が足りないくらいでちょうど良いと思います。
だから、「出汁を取る」なんて重く考えずとも、魚のあらや骨を適当にぶっこんで「あら汁」にするのも、意外と手軽で美味しいと思います。味噌はやっぱり、アミノ酸だとか何とか抽出物とかが入っていない、大豆や米だけで作られたのがいいですね。
化学調味料を否定するわけではありませんが、そういうのが添加された味噌汁はたいがい旨味が強すぎて、メインの料理の味をぼやけさせてしまうからです。
味噌汁は、あまり自己主張が強すぎない方が食事全体としてのバランスが良いと思います。生臭さを消すためのネギは必須ですが、毎回用意して切るのが面倒だという人は、カットして冷凍しておくのも手です。
(ネギ類は冷蔵してもすぐ傷むので)
もちろんフレッシュより風味は劣りますが、それなりの薬味効果は発揮してくれます。