洋食のタマネギは炒めてなんぼ

 西洋料理には欠かせない食材、たまねぎ。
 サラダで生のまま食べるのが好きな人も少なくありませんが、やはり、煮込み料理で甘味を出すために欠かせない食材です。
 
 洋食のベースであるフランス料理では、基本的に砂糖は使いません。
 和食の煮物では砂糖を頻繁に使いますが、洋食では、野菜類を凝縮することで甘味を出すのが本来のやり方です。
 (もっとも、手間とコストを省くために砂糖を使うことはありますが……)
 
 そこでよく使われるのが、たまねぎです。
 僕は先輩料理人から「オニオンは、炒めることで甘味が出る」と教わり、料理界では昔から広く言われてきたことです。
 
 ですが、科学的なな研究によると、タマネギをいくら炒めたり加熱したところで、糖分は増えないそうです。
 けれど、タマネギを炒めると、明らかに甘味が増します。
 
 これは単純に、炒めることで水分が抜けて体積が減少し、糖分が凝縮されて甘く感じるだけなのです。
 
 まあ、理屈はともあれ、タマネギは非常に水分が多いので、だからこそ、炒めて水分をなくと、濃い甘味を凝縮できるのです。
 
 洋食の煮込みでは、タマネギをソテーして甘味を凝縮させることが、かなり味のポイントになります。
 カレーが一番有名ですね。
 タマネギをあめ色になるまで炒める、というのを知っている人は多いと思いますが、山のようなタマネギを、手鍋一杯に収まるまで凝縮させるくらい長時間ソテーしたりします。
 
 もっとも、甘味をどれだけ出すかは好みによりますが、日本人は和食で砂糖やみりんを多量に使うくらいですから、料理に甘味があるのを好む傾向があるので、煮込み料理やブイヨンを取る時は、タマネギをじっくり炒めて甘味を凝縮させることが、料理の美味しさを上げる重要なポイントになります。
 
 焼き色をつけるかどうかは料理によります。
 焼き色自体、メイラード反応と言って、料理に香ばしさを与えたり、特にタマネギの場合は糖度が高いので、あめ色まで炒めるとカラメル効果もあってより風味を高めることにつながるので、ビーフシチューのような料理やデミグラスソースといった、ブラウン系の料理では意図的に焼き色をつけます。
 一方、料理によっては逆にその風味が邪魔になることもあるし、色もついてしまうので、ブイヨンのように汎用的に使うものや、クリームシチューのような白系の料理では、焦がさないように気を付けつつ、水分を飛ばして甘味をひき出します。
 
 ただ、いずれにしても火加減が重要で、焼き色をつけたい時は序盤のうちに中火で軽く色をつけ、あとは弱火でじっくり、時折混ぜながら、黒く焦げないようソテーすることが重要です。

 
 


 


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