パスタを茹でる時の塩

 乾麺のパスタを茹でる時には、塩はしっかり入れたほうが美味しいと思います。
 分量は、水1リットルに対して10g〜20g程度です。
 この塩が、パスタの重要な下味になります。

 かなり塩を入れると思うかもしれませんが、日本の蕎麦やうどんと違い、パスタの乾麺は塩を使っていないので、塩茹ですることでパスタの中に塩味が浸透し、麺の旨味が引き立ちます。

 茹で上がったパスタを食べると、しょっぱくはないけど、それでも十分美味しいと思えるくらい。
 それがちょうど良い塩加減です。

 なお、麺に塩をきかせる分、ソースの塩分はやや控えめにします。
 そのバランスのほうが、パスタは美味しい味になります。

 麺に塩味をきかせず、ソースの味を強くして食べるやり方だと、麺とソースの一体感が今ひとつのように感じます。
 これは肉料理などでも同じですね。肉にしっかり下味をつけ、ソースは塩味控え目で、ソースの役割は風味と旨味とコクを主体にした方が美味しさのバランスが良いと思います。

 とはいえ、茹でる時に入れる塩の量は、本場イタリアでも人によってまちまちで、全く入れないコックや家庭もあるようですね。

 ですが、実際には塩を入れて茹でた方が明らかに美味しい。
 これはおそらく理論的には、
旨味成分であるアミノ酸は塩味と連鎖することで旨みを発揮するので、茹でる時点で塩を入れることで麺の内部にしっかり塩味が浸透させたほうが麺の旨味が引き立つ、ということだと思います。

 もし、茹でる時に塩を入れなかったり、塩が少ない場合は、パスタを早めに引き上げ、フライパンの上で味付しながらソースと麺をしっかり馴染ませる調理法を採ります。
 こうすることで、フライパンの上で麺が塩味を吸い、茹で加減もちょうどよくなっていくわけです。

 ソースはほぼ出来上がっていて、パスタを和えるだけのような場合は、茹でる時に塩をしっかりきかせておいたほうが良いでしょう。

 なお、昔は塩を入れることで麺が引き締まるとよく言われていましたが、最近の科学的な研究によると、0.5%〜1.5%の間での比較程度では、人間が感じられるレベルでの差はほぼ出ないそうです。 
 


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