クリーム系ソースのポイント

 現代料理での肉や魚料理のクリームソースは、生クリームをそのまま使います。
 フライパンや手鍋にフォンやブイヨン(出汁)を入れ、沸いたところで軽く白ワインし、アルコールが飛んだら生クリームを入れて煮詰め、塩・胡椒で調味し、最後にバターを加えて滑らかに仕上げる(バターモンテ)、という手順が基本です。

 ポイントは煮詰め具合です。
 出汁は濃度によりますが、水っぽいとソースに味が出ません。
 なので、まず出汁を煮詰めて濃縮したところにワインをし、これも水っぽいままだとよくないので、香りがなくならない程度に詰めたところに、生クリームを入れます。

 生クリームは煮詰めるとトロっとしてきますが、やり過ぎると油が分離してだめになってしまうので、トロリとしたギリギリのタイミングの見極めが重要です。

 感覚的には、完全にトロリとする少し前です。
 トロトロまで火を入れると、その時はクリームっぽくても、余熱で分離してしまうからです。

 このへんは、パスタのクリームソースと同じです。

 そして、あと少しでトロリとするところで火を止め、バターを加えて手早く混ぜ合わせます。
 バターの味がくどいと思われる方は、バターは入れなくても良いです。

 にんじんやブロッコリー、カボチャのピュレなどを加えることで、彩りよい野菜のクリームソースにも展開できます。
 ただ、野菜の繊維は加熱しても溶けないため、スムージーを作れるような強力なミキサーがない場合は、裏ごしないと味が濁って食感もザラザラになり美味しくありません。

 しっかりした出汁が用意できなかったり、詰め具合に自信がない場合は、パルメザンチーズ(パルミジャーノがベスト)で補うのが一番無難です。
 パルメザンは旨味と塩分が強く、溶けるとある程度の粘りが出るので、多めに入れてよく混ぜると、簡単にクリームソースっぽくなります。

 多少色がついても良ければ、肉の焼き汁(シュック)を利用すると味に深みが出ます。

 例えば、フライパンやソテーパンで黒く焦がさないようにチキンを焼き、チキンが焼けたら肉を取り出して脂分を捨て、そこに出汁や白ワインを入れて、鍋底にこびりついた茶色い旨味をよく溶かし込みます(デグラッセ)。そうすることで、旨味と香ばしい風味が増します。

 また、生クリームを使わない古典的な手法としては、肉に小麦粉をふりかけながら焼き、肉に火が入ったとろで牛乳を加えて良く混ぜると、小麦粉によって牛乳にとろみがついて、クリームソースになります。
 ベシャメルソースの原点ですね。

 刻んだ肉や野菜、キノコなどを小麦粉をふりかけながら焼き、牛乳を入れてとろみがついたら耐熱容器に入れ、チーズをかけてオーブンで焼けばグラタンになります。

 


 →料理豆知識indexへ