口コミグルメサイト・ブログに思う

 ネット社会になり、色々な店の感想を、口コミサイトや自身のHP・ブログなどで誰でも簡単に発信できるようになりました。
 良質な記事もありますが、勘違い批判から業者の提灯記事まで玉石混交なので、そうしたカオスな状況に賛否が飛び交います。

 有名な口コミサイト「食べログ」は、お金をもらった業者による提灯記事や、有料会員を優遇する情報操作の実態が明るみになり、そのことが叩かれたりもしています。

 個人的には、素人のいい加減な記事も、業者のヤラセも、それ自体は別にいいんじゃない?
 と思っています。

 何故なら、そんなことは今にはじまったことではないからです。
 ネットがなかった頃から、あらゆる業界で、あらゆる媒体において、昔から「よくあること」だからです。

 良くないのは、事実無根の「嘘」や、間違った知識で正しくない風評を広めることではないでしょうか。

 そういうことを、ネットで誰でも簡単に広められてしまう。
 それが一番の問題だと思います。

 もちろん、提灯記事にしても、誇大広告な記事は悪質です。
 ただ、これは良し悪しを問う前に、景表法にひっかかる違法行為です。

 それよりも気になるのは逆のパターンです。

 例えばサービスに不手際があったことに腹を立てて、あることないことを悪く吹聴することです。
 
不愉快なことがあった腹いせに、わざと店の悪評を言って、その店にダメージを与えてやろうとか、仕返しを意図的にする人っています。

 こういうのは、口コミのあり方以前に、人としてどうなの?
 って思います。

 そうした、恣意的に相手を貶めようとするのは、「人として悪質」だと思います

 腹が立つことがあったら、悪く言いたくなる感情はあるでしょう。
 でも、人間関係と同じで、人の悪口を周りにいいふらすような心理というのは、微妙な気がします。

 「自分のような被害者を増やさないため」という正義感?をタテにする人もいますが、「あいつは性格悪いから付き合わないほうがいい」なんておせっかいアドバイスを言ってくる人って、たいてい性格悪い人です。

 まあ、そんなことを言ってしまうと批評なんて成り立たないので、悪いことは書いちゃいけないと言うわけではありません。

 音楽でも映画でも、商売でやってることには批評はつきものです。
 不特定多数の人が利用する飲食店の評価を広めることは、公益に結び付くという観点は確かにあります。

 しかし、素人がいい加減な風評をばらまくのは、ちょっとひっかかります。
 プロのライターの書いたことなら正しい、というわけではありません。
 プロのライターは、それで生計を立てているわけですから、いい加減な記事しか書けないような人は生き残れません。
 
しかし、ネットのブロガーや口コミサイトの投稿者は、生活がかかっているわけではないので、やりたい放題です。
 匿名で、何の責任もなく、個人的感情や好みだけで言いっぱなしに出来ます。
 嫌いな人の悪口をいいふらすのと同じ精神的衝動で、あることないこと、話を盛って悪口を書くような人も、たくさんいると思います。
 もちろん、事実だけを客観的に書けるのならいいけど、何か一つの不快点を契機に、勝手な想像や妄想まで膨らませて過大に書いたり、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とばかりに、何もかも悪く受け止めて書くのは、
批評だとか口コミ以前に、人間性としていかがなものかと思います。

 たかが口コミ。されど口コミ。
 
人として誠実に書いてほしいものです。

 


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