食べログについて(運営側のこと)

 最近、食べログ上で展開されているステルスマーケティングが、露骨に目につくようになってきました。
 い
わゆる「提灯記事」ですね。お店側が、お金を払って、店にとって都合の良い記事を投稿してもらうというもの。
 
こういうのって、純粋な口コミを期待する人からすると、非常に腹立たしい行為なので、何度もそれが問題視されてニュースになってますね。

 とはいえ、個人的には、提灯記事なんて、今にはじまったことではなく、飲食店に限らず、あらゆるジャンルで昔からあることだし、そもそも「食べログ」自体が、カカクコムという営利企業がやっていることだから、儲けのために利用されるのは当然だと思うので、「そんなもんだろ」くらいにしか思っていませんでした。

 しかし、最近はさすがに、ちょっとおかしいんじゃないの?
 と思います。

 まず、この話をする前提として、
 二つの事象を確認しなければなりません。

@店で嫌な思いをしたので、そのことを投稿したら運営から削除された。
A事実無根の悪評を書かれたので削除依頼をしたら「個人の表現の自由なので削除できない」と拒否された。

 この2つは、食べログでよくある事象ですが、よく考えると変じゃないでしょうか?
 @とAの内容で、矛盾が生じてますよね?

 @については、ネットでもよく書かれてることで、食べログに店の悪口を書いたら運営から削除されたと。お店にとって都合の悪い情報を載せないんじゃ、口コミサイトとして価値がないだろ!と、よく書かれています。
 A
については、過去に裁判になったこともありますね。食べログに書かれた内容が事実無根だとして、お店が食べログに削除依頼をしたら拒否されたので、店が食べログを訴えた話。

 どちらも事実ではありますが、結局お店の悪口は、掲載されるのでしょうか?削除されるのでしょうか?
 食べログは、投稿者やユーザーびいきのサイトなの?
 それとも飲食店びいきのサイトなの?

 この答えは簡単です。
 そのどちらでもなく、食べログを運営している「カカクコム」にとって、有益であるかどうかで決まります。
 つまり、お店が食べログの有料会員になると、悪口は掲載されなくなります。
 しかし、有料会員にならなければ、悪口を書かれても削除してもらえないのです。
 評価の点数配分も同様です。
 お店が、食べログの有料会員になると、好評価の点数が反映されやすくなるわけです。

 これらの仕組みを武器に、カカクコムは飲食店を有料会員に引き込むわけです。
 
こういう操作が前提にあるから、食べログは評価基準を公にしないし、どんなに解析しても、基準がよくわからないのです。
 よく、ユーザーや飲食店は、食べログの運営の公平性とか、点数のアルゴリズムの妥当性なんかを真面目に議論しますが、食べログを運営しているカカクコムにしてみれば、そんなことはどうでもいいのです。

 ポイントは、好評・悪評、そのどちらも、カカクコムの利益になるよう操作できること。
 それをカカクコムは商売にしているのです。
 だから、有料会員にならなければ、全ての投稿は4点以上にもかかわらず、何故かお店のトータル評価は3点…ということが発生したりするわけです。

 何よりも問題なのが、悪評の操作です。
 これはかなり悪質です。
 食べログは、飲食店の経営者にとって非常に厄介な「悪評」の掲載・削除を、金で操作しているわけです。
 
どういうことかというと、たとえ事実無根の悪口であっても、どんなにお店が強く削除依頼したところで、基本的に食べログは、悪口の書き込みを削除してくれません。
 だから、飲食店が食べログを名誉棄損で訴える、といったニュースがしばしば流れるわけです。
 
しかし、お店が有料会員になると、いとも簡単に都合の悪い書き込みを削除できてしまうのです。

 でも、ここまでなら、まだいい。
 しかし、その悪評の書き込みを、食べログの代理店が意図的に行い、その削除をタテに、飲食店を有料会員へと促す…といった行為がされているという噂もあるらしい。
 
もっとも、これに証拠はありませんが、もし本当なら、もはやヤクザのみかじめ料並の悪徳商法です。嫌がらせをされたくなければ、金を出せと言ってるのと同じです。
 しかし、誰でも簡単に、しかも匿名で投稿できるわけですから、代理店としても顧客獲得数を上げるための営業手法としては、十分にあり得る話です。それに、「代理店がやっている」となれば、カカクコムの責任ではない。

 これはもう、投稿者とか、飲食店とか、そのどちらという話ではありません。「食べログ」というサイトをハコに、投稿者も飲食店も、カカクコムという会社のくいものにされているだけです。

 だいたい、事実無根の悪評を意図的に書いたとしたら、それはれっきとした営業妨害であり、違法行為です。業者に書かせる提灯記事にしても、度が過ぎたものは、景表法で定める「優良誤認」などの違法行為と同じではないのか??
 それを、全て投稿者や業者の責任とし、「食べログは責任を負いません」とするのはおかしい。

 例えば、雑誌であれば、事実に反する記事については、内容を出稿したお店やライターだけの責任ではなく、出版社も責任を負いますよね?
 
だから、そうした違法投稿の掲載を垂れ流しにするのは、それを運営しているカカクコムも責任を負わなければ、筋が通らない。
 ましてや、食べログの運営者や代理店が、評価点数や掲載内容の添削権限を操作して、そうなるよう促しているのであれば、なおのことです。

 もっとも、これに類似する話は、「2ちゃんねる」などで、書き込み内容に対して、運営者が責任追求されないことが問題になるように、ネットに関する法整備は、まだ不十分です。

 しかし、少なくとも、2ちゃんねるにおいても、違法な投稿者は特定されるようになったように、食べログでも、違法な提灯記事や悪評を流す行為については、個人を特定して法的処罰をすべきです。

 投稿者のモラルだとか、掲載店舗のステマが問題になり、それらに対して食べログの運営者を、「審判」のような扱いで議論になりがちですが、実態としては、他ならぬ食べログの運営者自体が、それらを引き起こしている元締めですよ。
 
これらのことは、全て食べログの運営者が、自分らの利益を追っていった結果として人為的に作られた状況であり、そのため、提灯記事がはびこるようになったわけです。

 こういう背景があるから、よく食べログでは「悪いコメントしか参考にしない」という人がいますが、それも参考になるかどうかは怪しいですよ。
 悪いコメントが載っているからこそ、そこはカカクコムと契約して提灯記事を書かせていない店、とも言えるし、契約させるために、どこぞの悪質な食べログ代理店が、悪評を書きこんでいるのかも知れない。

 カカクコムは、食べ歩きをする人たちのために集まったNPO法人などではないので、内容の信頼性だとか、本質的価値なんて二の次で、一番の関心は会社として儲かるかどうかです。
 「内容の信用性がなくなったらカカクコムにとっても損じゃないか?」と思う人もいるかもしれませんが、そもそも投稿内容の真偽なんて誰にもわからないし、広告料をもらって一般投稿のフリをして良い評価を載せたり、悪評を操作して飲食店を有料会員にするのが彼等のビジネスモデルの本質あれば、金を払ってでも「文章のうまい書き手」を集めることが重要であり、内容の信用性はさほど重要ではありません。

 このへんを法的に是正すれば、食べログはそうした情報操作がしづらくなり、ユーザーや飲食店の双方にとって、公平でまともな口コミサイトになると思いますが、もしそうなったら、カカクコムにとってはうまみがなくなるので、機能や情報の更新が滞り、いつか閉鎖されるかもしれませんね。

 


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