AKBの番組で、グループ内のダンス自慢メンバーでダンスバトルをするという企画を観ました。
AKBのダンスバトル
この企画は意外にもすごく面白かった。僕はAKBが好きじゃないので、基本的にはAKB番組なんて観ません。
ですが、たまたまAKBが「ダンスのガチンコバトルをする」というネットニュースが目に付いて、「口パク学芸会ダンスのAKBごときがダンスバトルとか笑わせる」と思って、冷やかし的に観たものでした。観たのは、「AKBダンスロワイヤル」というもの。
テレビなんて所詮ヤラセのかたまりだから、ガチンコといっても、どれだけ本物っぽくやるのか?と、最初から色眼鏡をして観たわけですが…
これが意外にも、本当にガチンコっぽくやっていた。そもそもAKBのことをよく知らないので、出ているメンバーがどういう奴らでどんなレベルかは知りませんでしたが、動きを観れば、本気でダンスを勉強してきた人物かどうかくらいはわかります。
っていうか、出てるほとんどのメンバーのルックスが微妙(笑)
このあたりは、本当にダンススキルをベースに人選したっぽいことが感じられました(笑)
これがヤラセならもある意味テクニシャンです。で、審査がかなりのガチっぽい。
どこまで台本があるのが知らないけど、審査員のコメントの内容は、観ている側としても、かなり的を得ているものばかりで、納得感がありました。出演メンバーの反応も、かなりマジっぽい。
これは面白い!踊り間違えて号泣してるメンバーとか、あれが台本通りなら、演技だとしても立派な役者だと認めてもいい。
もしかすると、基本的には台本があるけれど、リアルな反応の演出をするために、踊るメンバーや観ているメンバーには、台本を知らされていなかったのかも知れませんね。一番印象的だったのが「チーム8」というグループのダンス。
出場している3人とも、見たことも聞いたこともない人物だったけど、調べてみると、チーム8ってのはAKBの中でも特殊なグループらしい。
トヨタをスポンサーに、全国の都道府県から1名ずつ選ばれて結成されているそうですが、アイドルグループなのに、メンバーはそれぞれ普段地元に住み、地元の学校に通っていて、普段は地方のトヨタのイベントなどに出演し、AKBの大きなイベントの時だけ集合するそうな。これって、各都道府県の代表と言えば聞こえはいいけど、ぶっちゃけトヨタの地方営業の宣伝をするキャンペンガールのようなもの??
なので、このダンスバトルの企画にしても、撮影の一日前に集まって一日合わせただけらしい。どういう給与体系か知らないけど、ついにAKBは、こんなキャンギャルのバイトみたいなものまで手を出してるのかと思いました(笑)
そのせいか、メンバーはどいつもこいつも素人くさい。
ルックスも普通だし、化粧も薄くてほんと素人のバイトみたい。
そのへんウロウロしている女子高生とほとんど変わらない。番組内でチーム8の三人が挨拶をしても、周りの先輩メンバーたちの反応は、ほんとバイトの素人の子を「がんばれー」と見守ってるような雰囲気。
本来、アイドルってお互い人気を争う競争相手じゃないのだろうか(笑)観ていた僕としては、「何このオママゴトな空気?学芸会やってんじゃねえよ。仕事なめてんのか」と、完全に白けた目で観ていたわけですが、いざダンスが始まると…こいつはすげえ!
なんじゃこいつら。
すっげー面白い。特に真ん中で踊ってる横山さんという青森の田舎くさい小娘、ダンス上手すぎだろ。
観ている先輩メンバーも、素で驚いているようだった。
これって、ヤラセ以前に、この素人グループが本番でここまでやれるとは、番組としても想定外だったのでは??で、一番驚いたのが、最終結果。
番組の流れや紹介での推しっぷり、観ているメンバーの盛り上がりっぷりからして、明らかにNMBとAKBチームKというグループが精鋭ぞろいで、そのどちらかが優勝するかのような空気だった。ただ、僕としては、そのどちらのダンスも観ていてつまらなかった。
上手いとは思ったけど。で、審査員は、驚いたことに、素人グループのチーム8を優勝させた。
それで、喜んでいるチーム8のメンバーの後ろで、明らかに「はあ?何であの子らが??」とばかりに不服そうな顔をしている先輩メンバーたち。
この審査結果が、当初の企画通りのものかはわからないけど、観ている側としては、非常に納得のいくものでした。
ヤラセかどうかはもはやどうでもいい。審査員のパパイヤ鈴木さんの、技術ではなくて、この瞬間の空気が大事、と言っていたコメントは本当に的を得ていた。
その通り!
NMBとチームKは確かに上手かった。
でも、番組を通じて観ていると、チーム8を観た時の新鮮な踊りと高揚が、間違いなく一番盛り上がった瞬間だった。
観ていてすっきりする進行でした。ネットの反響も賛否はまちまちのようですが、これによって、チーム8とこの三人のダンスの実力が広く知られるようになったみたいです。
AKBにしてはまともな企画。
AKB嫌いの人でも、これは観るに価する企画だったと思います。