EXILEとAKB

 EXILEとその弟分である三代目JSBは、女性を中心になかなか根強い人気があります。
 
ただ、ネットなどを見ていると、アンチというか、強烈に毛嫌いしている人が結構いるみたいですね。

 嫌いな人のたいがいの理由は、「ヤンキーっぽい」とか「頭悪そう」とか、そういうのが多数。
 確かに、EXILEのスタイル自体がそもそもヤンキーっぽいし、ファンの系統を見ていてもわかるような気もします。

 けれど、僕はEXILE系をそれなりに評価しています。
 念のために言っておくと、僕はヤンキーあがりではありません(笑)
 むしろヤンキーは嫌いですが、それでもEXILEの良さというものは、理解できるように思うのです。

 個人的には初期の頃のEXILEのほうが好きで、最近のギラギラしたのは全く好みではありませんが、支持する人がいるのは当然なように思います。

 EXILE系が支持される理由って、AKBが支持されている理由と、本質的には似ていると思います。
 
系統は全く違います。でも、ビジネスとしての手法は、すごく近いと思うんですね。

 初期の頃のEXILEは、今よりもっとナチュラルだったと思います。
 Carry on(2006年) のPVなんて、今よりもっと健康的で、良い意味でその辺にいそうな、まぁ普通のカッコつけ野郎系のグループって感じでした。
 
それが最近のは、もはや非現実なくらい過度にカッコつけた存在で、こんな奴らが実際に街を歩いていたら、カッコイイというより完全にただのコスプレです。

 これが「カッコイイ存在」として女性にウケているのを見ると、ファンでない人からすると、確かに異様な光景に見えるかも知れません。

 でもこれって、よく考えるとAKBと同じじゃないですかね?
 
系統こそ違いますが、AKBも、衣装とかやってることって、非現実な存在でありながら、それがファンにとっては「カワイイ」わけでしょう。
 
コスプレしているのは元のコンセプトがアキバだからとはいえ、一般アイドル化した今となっては結果論です。
 
アイドルならコスプレするのが当然ではなく、普通のスタイルのアイドルだっていくらでもいます。
 
だから、AKBも、その方向性が好きでファンになる人もいれば、全く受け付けない人もいます。
 ですが、プロデューサーである秋元康氏も、それがわかっているから、より現実に近く、お嬢様路線的な乃木坂とかを作ったりしたわけですよね。幅広い客層を集客するための、商売の手法でしょう。

 男性アイドルでは、そもそも、ナチュラルに近いアイドルグループとしては、すでにジャニーズがいます。
 ジャニーズは、どちらかというと身近にいそうなスタイルで、健康的で中性的なイメージの、万人ウケを狙ったアイドルです。
 
そこにEXILEが、ジャニーズとは別の層をターゲットに、ジャニーズとは違ってある意味不健康(?)というか、「ワルっぽい」感じで、男らしいルックスと肉体美をウリにしたオラオラ路線でファンを囲っていったのは、マーケティングの考えからして正攻法であり、意図的なものだと思います。
 ジャニーズと真っ向勝負するのは割に合いませんし、だからこそ、ジャニーズとは完全に別の層を狙ったコンセプトにするのは賢いと言えます。

 僕個人としては、オラオラ・ギラギラし過ぎの今のEXILEは全く好きではありませんが、彼らは彼らなりに、そのイメージを守るために、日々筋トレでスタイルを維持する努力をしたり、ダンスの修練を積んでいるそうなので、決して好き勝手やっているヤンキーではなく、売れるための努力をしている、ある意味立派な「ビジネスマン」だと思います。
 仕事で努力をするのは当たり前といえばそうですが、EXILEでは、体脂肪率が10%を超えると「デブ」扱いされるらしく、ステージに出る時までには、体脂肪率が一ケタになるぐらいまで絞り込むそうです。
 芸能人なんてただでさえ誘惑が多いのに、アスリート並の体型を維持するようストイックな努力をしているというのは、評価に値すると思います。

 とはいえ、それでも嫌いな人が嫌いな理由もわかります。
 それはAKBも同じで、なんかわざとらしい奴らばっかりだし、しかも誰が認めたのか知らないけど「国民的アイドル」なんて持ち上げられていたら、イラっとする人はいるでしょうし、僕もAKB嫌いの一人です(笑)

 しかし、いずれにせよ、EXILEもAKBも、好き嫌いはともかく、ビジネス手法としては優秀だと思います。

 ただ、EXILEもAKBも、あれだけ人がいるんだから、メンバーの中に作詞作曲を出来る人材を入れればいいのに。
 そうすれば、アーティストグループとしての評価も上がるんじゃない?と思ったりします。

 まあ、そこまでする必要がないという判断なのでしょうけど。

 そんなわけで、EXILEも、AKBも、好き嫌いは別として、上手くやってるビジネス集団だと思います。

 


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