ユニクロ

 ユニクロって、自称「お洒落さん」の間では評価が分かれるブランドです。
 確かに、ファストファッションのブランドなので、高級な服ではないし、デザインもシンプルでお洒落感には欠けますが、ZARAやH&Mとの違いは、品質が良いことです。
 ZARAやH&Mは生地も悪けりゃ縫製も悪い。あれは品質は最初から期待せずあくまでデザインを買う店でしょう。
 ユニクロはデザインがベーシックな分、品質にコストを集中し、安いながらも良質な服が多いです。

 なので、ベーシックな服を好むコンサバ系の人には評価され、トレンドや尖がったデザインを好む人には支持されないのがユニクロです。

 そういった特性から、「彼氏がデートにユニクロの服で来たので別れたいです」というようなネタ話が成立するのでしょう(笑)

 そうはいっても、概ねユニクロは人気。
 どれだけファッションオタやお洒落気取りの大学生が批判しようとも、週末の混み具合や、世界中への出店状況を見れば、支持している人がマジョリティなのは明らか。

 ただ、やっぱり気になるのが、いわゆる「ユニかぶり」です。

 ユニクロユーザーは多いだけに、全く同じ服を着ている人に遭遇する確率は高い(笑)
 別に悪いことをしてるわけじゃないけど、あまり嬉しくない瞬間です(笑)

 なので、アウターではユニクロは選ばない、って人は多いようですね。僕もそうです。
 けれど、ヒートテックなんてめっちゃ優秀だし、インナーはユニクロメインという人はかなり多いようです。

 ただ、最近(2018年)ユニクロの質が落ちたという指摘が多い。
 これは僕も激しくそう思いますけど
、仕方がないようにも思います。
 材料費の高騰や、製造している中国の人件費の高騰、為替の問題などを考えたら、昔と同じ値段で同じ品質のものが作れるわけがありません。
 このことはユニクロに限らず、アパレル業界全体がそうなっています。

 もちろん、値上げをして品質を維持するという方法もあります。
 ただ、ユニクロが質を後回しにしてるのは理由があると思う。
 というのも、
ユニクロは、十年くらい前でしょうか、明らかに値段が上がった時がありました。
 いや、値上げしたと言うよりも、ユニクロは品質を重視して価格帯が高めの商品をメインに、低価格帯の商品はGUに、と住み分けをするといった感じで、当時ユニクロがそういう戦略に舵を切ったとか、ニュースになっていた気がします。

 しかし、その時の世間での反発はすごかった。
 「ユニクロのくせに高い」
 「調子こいてる」
 「安さで売れてるだけなのにブランドが上がったと勘違いしてる」
というような論調の意見が多く、とにかく不評だったように記憶してます。

 確かに自分も、「あれ? ユニクロってこんなに高かったっけ?」と思ったし、もともと○○円くらいで買えるだろうと思って買いに行ったのに、想定した金額で買えるものがなかったために、結局何も買わないってことがしばしばありました。

 でもこれって、よく考えれば、決して調子こいていたわけじゃなく、ユニクロにとっては考えた上での戦略だったのでしょうね。
 
これまでのユニクロユーザーに対して、期待されている品質を守ろうとしたら価格を維持できないため、ブランドを守る意味でもそうしたのだと思う。そして、安さを求める人はGUに行って下さい、と。

 でも、実際の消費者の多くは、値段ばかりに目がいってしまいました。
 リーマンショックとかで、景気が後退していた背景もあったと思う。
 これが、多くの消費者心理だったのでしょうね。

 結果、ユニクロの業績は悪化し、株価もめちゃくちゃ下がりました。
 
それで結局、ユニクロは安価なラインを次々と復活させ、元の「お手頃価格のユニクロ」となって、業績も持ち直しました。

 でも、そのあたりから品質が下がったのは間違いないと思います。
 価格を優先した以上、仕方なかったのでしょう。

 昔に比べて、明らかにペラい生地になっていたり、いくらユニクロでもここまでしょぼかったっけ? というくらい、貧弱な仕上げのものが増えた。インナーは化繊率が増え、通気性が悪くなり、劣化が早くなった。

 10年以上前に買ったユニクロの服は、今でも着れているのに、最近のものは短期間でだめになってしまうようなことが多くなった。

 改めて考えて、どっちの路線が良かったのか?
 というと、複雑な心境です。

 まあ、景気が回復してるといっても、一般大衆の所得は上がっていないので、ビジネスとしては低価格路線が正しいのだと思いますが、品質に関するブランドイメージは、昔より下がってしまったでしょうね。
 でも、品質に固辞していたら、今の売上はなかったかも知れません……

(2023年冬加筆)
 ユニクロの品質劣化が止まりません。
 これだけ円安になって原価が上がれば仕方ないとは思いますが、価格を維持するために品質を落とす戦略は継続のようです。
 しかし、ニット製品はついに化繊混になり、インナーはほぼ完全に化繊化。さすがにこれはどうなんだろう。

 ニットはウールが年々しょぼくなってるとは思ってました。
 でも、今期触ったらふわっふわの心地よい手触り。これはと思ってクオリティを見たら案の定アクリルです。
 ユニクロのニットといえば、カシミア混でお手頃価格だったり、メリノウール100%とかでラインナップされてたのに、ついにこうなったか……
 手触り良いなら化繊でもいいんじゃないの? と思うかもしれませんが、アクリル製品は感触は良くてもウールほど暖かくないし、何より劣化が酷い。外で着るには見た目が酷くなり、部屋着にするには着心地悪し……これはもう買う気がおこらない。
 インナーもびよんびよんになったりすぐに穴が空いたりする使い捨て品質。今見たら大昔にユニクロで買ったインナーは綿100%。昔買ったものはまだまだ使えるのに、新しく買った方が先にダメになるとう逆転現象(笑)

 でもやっぱり、値上げしたら売り上げ落ちるからできないんでしょうね……
 消費者がこれどう評価するのかわかりませんが、自分は無印にシフトします。無印もかつてより品質下がりましたが、まだ少しふんばってるので。

 ブランドのポジショニングって難しいですね。

 

 


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