** テーブルマナー講座 **

●パンの食べ方

 意外と見落としがちな、パンの食べ方です。
 通常、左手前にパン皿が置かれるので、そこにパンを置いて食べますが、パンを手に取ってかじって食べてはいけません。

 さすがにバゲット(フランスパン)はかじりにくいので、そういう人はあまりいませんが、最近では色々な種類のパンを提供する店があるので、小さくて柔らかいバターロールや、スライスしたパンなどは、ついついそのままかじってしまう気持ちはわかります。
 しかし、そうしたパンならまだしも、うっかりバゲットをかじろうものなら、パンの破片がパラパラこぼれ落ちて、大変なことになってしまいます。

 パンの食べ方は、パン皿の上で一口分をちぎり、それからバターナイフでバターを取り、パンにつけて口に運ぶのが、見た目も綺麗で、食べ方としても美味しいです。
 バターは取り分けて使う場合が多いので、口をつけてかじったパンにバターをつけるのは、やはり気持ちの良いものではありません。また、先にバターを取ってパンに塗ってしまうと、パンをちぎる際に手にバターがついてしまいます。だから、まず先にパンをちぎり、それからバターを取るようにしましょう。

 ちなみに、パンで料理のソースの残りをすくって食べるのはオッケーですが、スープ料理をパンですくってはいけません。(格式の高い場では、パンをソースにつけるのもNGです)

●スープの飲み方 

 スープは、スープスプーンで、奥から手前にすくって飲みます。
 取っ手のついたコーヒーカップで出された場合は、手で持って口で飲んで構いません。また、スープに息を吹きかけて冷ますのは、厳密には×です。

 さらに細かくいうと、フランスではスプーンの先端から口に流して飲みます。
 すすってはいけません。この「すする」という食べ方は、蕎麦やラーメン好きの日本人にとっては違和感がなくても、西洋人にとってはかなり品がなく思われてしまうようです。

 量が少なくなってきたら、スープボウルの横を持ち、奥を少し持ち上げて傾けてすくいましょう。食べ終わったスプーンは、スープボウルの中に入れておくのが正式ですが、比較的小さいカップの場合は、ボウルの向こう側・敷き皿の上に置きましょう。(下げる時にスプーンが落ちやすいので)

 ちなみに、イギリス式では、スープは手前から奥にすくい、少なくなったら手前を持ち上げてすくうという、全く逆のやり方になります。
 また、スープをスプーンの横から飲むのは、アメリカ式だそうです。

●骨付き肉とフィンガーボール

 子羊のローストや鶉のローストなどはよく骨がついたまま出されますが、骨を手に持ってかじりついてはいけません。

 そういった料理を注文すると、汚れた手を濯ぐためのフィンガーボールが出されることがあるので、つい手で食べても良いものかと思いがちですが、基本的にはナイフフォークで骨から肉を切り外して食べるものです。

 切りにくかった場合、補助的に手で骨を持って支えながら切っても良いということであって、手で持って食べるわけではありません。

 また、手を濯ぐ時は、指先だけで、片手ずつ行います。両手を一緒に入れてはいけません。

 骨付きの仔羊などを食べる時のポイントは、いきなり食べ始めるのではなく、先に骨だけ身からナイフで切り離すことです。
 そうすることで綺麗に切り離しやすくなります。
 食べながら最後に骨にたどりつくいた場合、肉が少なくなっているので、フォークでうまく支えられず、切りにくくなってしまいます。

 ただ、ビストロや大衆的な店では、むしろワイルドに手づかみで、しゃぶるくらいのつもりで美味しさを余すところなく味わってください、というような店もあります。
 このあたりは、店の雰囲気などTPOに応じて使い分けるべきで、大衆的な店であまりにも上品に振る舞い過ぎるのは、ある意味無粋なことかも知れません。

●テーブルチェック

 もともと外国のレストランは、テーブルチェック(レジではなく、テーブルで会計する)が普通なので、日本でもそれに習い、ビストロクラスの店でもテーブルチェックする店は多いです。
 そうした店では、支払をする時は、従業員と目を合わせて胸元で軽く手を上げ、「チェックお願いします」と言えば良いでしょう。または、手元で伝票をペンでメモするようなジェスチャーをすれば、従業員はわかります。

 テーブルチェックなのか、レジ会計なのかの見分け方については、テーブルに伝票を置いていく店は、ほぼレジ会計の店だと思います。
 テーブル上に伝票がない場合は、いずれにしても従業員に言って伝票をもらわなければならないので、会計をしようと思った時点で、従業員を呼んでみることにしましょう。

 また、気をつけなければならない重要なマナーは、テーブル上で仲間同士のお金のやり取りをしてはいけない、ということです。
 ディナーレストランで個別会計はNGなので、支払が近づくと仲間内でお金のやり取りをしがちですが、テーブルの上でそのやりとりをするのは基本的に×です。

 とりあえず一人が代表で支払い、集金は店を出てからするようにしましょう。
 もし一人ではお金が足りないなど、どうしても先にお金を集める必要がある場合は、お金の受け渡しはテーブルの下で行うなどして、目立たないように行いましょう。
 間違っても、お金をテーブルの上に置いてはいけません。

 


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